子どもの耳が聞こえない?「小児難聴」の原因と治療法

難聴は身体障害の中で最も多く、生まれつきの難聴の出現確率は1,000人に1~2人と言われています。難聴には生まれつきのものと、後天性のものがあるのをご存知でしょうか。

改善先生
今回は、難聴の主な原因とその治療法についてご紹介します。

生まれつきの難聴

先天性難聴の原因には大きく3つあり、遺伝的なもの、妊娠中のトラブルで遺伝とは関係がないもの、原因が分からないものに分けられます。これらはそれぞれ3分の1ずつの割合と言われています。

遺伝子異常は、聴覚だけに異常が起こるタイプと他の障害も一緒に起きる症候性タイプがあり、なかでも難聴以外の症状がない非症候群性難聴が70%と大半を占めているのです。

また、母親が妊娠中に風疹、トキソプラズマ、ヘルペス、梅毒などに感染すると、胎児の発育に影響を与えて難聴になることがあります。

幼児期の病気が原因になるタイプ

幼児期の病気が原因で難聴になることもあります。代表的なのは「中耳炎」や「外耳炎」などの耳回りの病気です。特に中耳炎は、幼児がかかりやすい上に慢性化しやすい病気であるために耳の機能にダメージを与えやすくなっています。

そのほか、おたふく風邪の原因であるムンプスウィルスに感染すると、内耳の有毛細胞が障害を受けることがあります。おたふく風邪にかかると耳の下が大きく腫れますが、「ムンプス難聴」は腫れの大きさとは関係なく0.2~1.1%の確率で現れる難聴です。

また、髄膜炎の後遺症として難聴が引き起こされる場合もあります。髄膜炎はインフルエンザ菌や肺炎球菌などに感染することによって引き起こされる感染症で、初期は風邪のような症状です。しかし、進行が早くあっという間に体調が悪化するのが特徴です。

飛沫感染なので学校や寮など人の多く集まるところ、集団生活をしているところで感染が広がることが多い病気です。

病気以外の難聴

耳の病気ではなく、他の要因で難聴となるケースとしては、小児がんや結核治療のために投与された薬剤の影響で難聴になる「薬剤性難聴」や、頭や耳のケガが原因となるケースがあります。

さらに、大きな音を聞き続けたことで聞こえなくなるケースや、原因不明で突然発病する「突発性難聴」などがあります。

難聴の基本的な治療方法

先天性の場合、耳が聞こえないと言語能力に支障が出てくるため、早めに補聴器を取り付けて言葉を聞き取るトレーニングを始めることが大切です。ただし、補聴器の効果が認められない難聴の場合は、補聴器ではなく手術によって人工内耳を埋め込みます。

人工内耳はマイクで拾った音を電気信号に変え、埋め込まれた装置に伝わった信号が音として脳に伝わる、というもの。入院期間は2~3週間で、保険が適用されます。

後天性難聴の場合、軽度から中度なら補聴器で、重度の場合は人工内耳で聞こえにくさをカバーするのが一般的な治療法です。

小さな子どもは耳が聞こえないことを教えてはくれないので、親がしっかり観察することが大切です。また難聴かもしれないと思ったら、早めに耳鼻科を受診して検査をしてもらいましょう。